≪福祉部会≫ 避難所運営についての意見交換

 福祉部会では5月と6月の部会で、要援護者支援のつながりから避難所についての理解を深めるため、避難所運営についての意見交換を行いました。

 

 5月の部会は、SL13名が参加し、避難所の備蓄物資について各地域の資料を持ち寄り、現在の備蓄状況や備蓄しておくと良いものについて話し合いを行いました。

 6月の部会は、SL11名が参加し、避難所のイメージや避難所運営を行っていく際に必要になってくるもの等について話し合いを行い、各地域の状況を踏まえながらより避難所そして運営について理解を深めました。

 

 下記は、部会長の葉木SLからの報告です。 

「避難所運営」その1           H26/5/10 SL葉木 

 

 今日(5/9)の福祉部会は、初参加者を含め12名と盛況であった。

 各種情報交換のあとは、「避難所運営」の手始めとして、備蓄品として何があるのかを、鶴巻小学校、鵠南小学校、市原市の備蓄品一覧をもとに、横断的に話した。

 その中での話。

(1)トイレは災害時最優先に必要とするが、避難所で設置するトイレの絶対数は少ないので、住民各自が、“段ボールトイレ”や、家庭の“水洗トイレ”に45㍑のビニール袋を被せて使用し、使用後に分別収集するやり方を、もっと積極的にPRすべき。

(2)食料の備蓄は、防災倉庫でスペースを取る、賞味期限の管理が大変、購入費用がかかる等の問題がある。最近の家庭では、米、麺類などのストックが2週間くらいあるので、それらで当座の食料は何とかなるのでは?

逆に空いた防災倉庫には、他の必要とする防災備品を入れた方が現実的である。

なお、食料で備蓄するとしたら、何にでも使える小麦粉を保存した方がよいという意見もあった。

(3)なお、水は、ケガをしたときの消毒用に、多少は備蓄しておいた方が良い。

(4)女性の衛生用品の備蓄が少ない。

(5)薪などの燃料の備蓄がない。

(6)燃料として、プロパンボンベの利用も考えた方がよい。

(7)果たしてこれらの備蓄品が、災害時効果的に使えるのか疑問?

 

次回(6月)は、避難所に来てからのイメージを具体的に分解して、何が避難所の備蓄品で必要か議論する。

 

「避難所運営」その2           H26/6/13 SL葉木

 

 今までのHUGの訓練は、避難所に起こる出来事の疑似体験で、机上での訓練のため、表面的な流れしかわからないという問題があった。そこで、いくつかの条件設定(季節、時間帯など)をして、実際に運用するには何が必要かを考えようということで、今回取り上げた。

 大きく、開設指示を受けて立ち上がるまで(受付開始まで)と、避難者を受入運用するまで(受付開始後)に分けて今後考えていきたい。

 

 その前に、「避難所運営に関する確認事項」が参加者から出されたので、それを中心に、参加者が横断的に、地元のやり方、考え方を話しあった。以下に要旨を記す。

1.地震災害では、防災マニュアル上は、自治会ごとにまとまって行くことになっているが、現実は、被災者が直接避難所に行くことも当然ある。

2.避難所の鍵は誰が開けるか?

 近所の自治会長に依頼することもあるが、責任が重いということで、辞退するケースもある。

 行政が、付近に居住している職員を避難所従事職員として任命し、その人達が、休日、夜間は鍵を開ける仕組みとしている場合もある。

3.開場前の避難所点検は、行政作成の点検チェックリスト(行政によりそれほど内容は変わらないのでは?)により、行政職員が行うのが基本。

4.点検後の安全確認判断は、点検チェックシートに基づき、取りあえず、行政職員が行う。後日、行政の専門部署が再チェックに来るのでは?

5.避難所の開設は、行政からのトップダウンにより行う。

6.避難者入場は、ランダムに避難者が来るため優先順位をつけては行えない。

7.避難所には、必要な書類類(避難者カード、筆記用具、立ち入り禁止場所設定用具、飛散ガラス回収用具など)を、箱にまとめて入れてある行政もある。

8.避難所が学校の場合の受入れ順序は、体育館→指定した教室→校庭が基本。但し、子供が学校にいるときは、教室は使用できない。

9.学校のトイレは、取りあえずは使用禁止とする。

  子供が学校にいるときに災害に遭遇したら、子供達のトイレ対応はどうするのか? → 学校に問い合わせ、確認する必要がある。小学校などで和式のトイレが多いのは、便座を汚す、集団感染を防ぐといった衛生上の理由からだったが、最近少しずつ、洋式トイレも設置し始めた地区もある。但し、仮設トイレは相変わらず和式トイレが多いので、高齢者などのため、使用しやすいように工夫することも必要である。

 災害時、トイレの整備は最重要の課題である。避難所に設置するトイレは、すぐ汚くなり、その清掃をこまめに積極的に行ってくれる方は殆どいないと思った方がよい。そのため、避難者といえども、トイレ時は、自宅に戻って用足しをできるように、ビニール袋、凝固剤、ネコ砂などを準備しておくよう日頃からPRする必要がある。→ マイトイレを作りましょう!!

 但し、問題は、トイレの使用済みの回収は、生ゴミと一緒に回収すると行政は明記しているが、普段使用しているゴミ収集車では、おおきなツメで、ゴミを車の奥に入れるので、袋が破損した場合、大変な事になる。そのため、具体的にどの車で回収するつもりか、また、回収予定時刻も災害時明確化してもらえるか、行政に聞く必要がある。

 埋設のトイレを流すために、防災井戸を傍らに設置し、水を流そうという動きもあるが、下水が壊れていると使用できない問題がある。

 液状化発生地域も下水は使用できない。

 以下は、本件に関する参考情報

 ※ 7/5(土)13時〜 「防災トイレフォーラム2014」〜避難所、病院、企業等におけるトイレ運用計画の作成をめざす〜が、日本科学未来館で開催される。

 並行して、同じ場所で、企画展「トイレ? 行っトイレ!~僕らのうんちと地球のみらい」が、7/2(水)〜10/5(日)行われる。

 

10.子供達の災害時備蓄品(飲み物、非常食、毛布?など)の整備方法として、入学時に、PTAが会費で子供の備蓄物資を購入し学校に保管し、卒業時に家に持ち帰らせるといったやり方をする学校も出てきた。この場合は、学校は、お金は気にせずに?保管場所を考えればよい。

 

11.避難所のスペースは、2m2/人である。また、間仕切りは標準ではついていない。

12.体育館内の場所は、町内ごとに予め割りあてている。

13.首都圏では、学校周辺に車を置くことは禁止すべき。

14.ペット同伴者は、屋外(校庭の一角に)に、責任を持ってペットを繋いでおく必要がある。