千葉県SLネット 被災地視察研修会へ

 千葉県SLネットでは、5月23日~24日の日程で福島県南相馬市、浪江町等へ30名のSLが視察研修へ行ってきました。

 

 朝8時にJR津田沼駅に集合し、常磐道を通って南相馬市へ向かいました。

南相馬市へと続く車窓からは、放射能汚染で除去された土壌などがシートに覆われて以前は田畑であったであろう草地に山となって積み上げられている風景が目に入ってきました。

初日は小高地区災害ボランティアセンターでセンター長として奮闘している松本SLに、当時の状況と、現在の活動状況を伺いました。

 現在は①離農支援②離農して移住する人への支援③帰還支援の3本柱で活動をしています。活動現場は、避難指示解除準備地区で今も上下水道等のライフラインも途絶している地域が大半なので、ボランティアのトイレの確保も大きな壁となっていることなど、率直な語り口で様々なお話を伺いました。

 

 翌日は、南相馬市立病院の医師から「被爆の現状とその他の健康被害」、相馬中央病院の医師から「健康という観点から見た原発事故」というテーマで講義をうけました。被ばくについての正しい知識と今後30年から40年という長期的視野で継続して健康診断を実施していくことの重要性などについてお話を伺いました。

 

 午後からは、2011年3月12日に全町避難を余儀なくされた浪江町へ町職員の案内のもと入らせて頂きました。

 地震だけの被害であれば、すぐに復興できたであろう町が、東京電力福島第一原子力発電所の事故のため、避難せざるを得なかった空白の4年間の重さに参加したSL一同、声もなくたたずむばかりでした。

 案内をして下さった町職員の方々はいずれも若手職員で、「事故が起こった後の天候によっては東京や千葉が全民避難となっていたかもしれない。そう考えると、この状況は決して福島県だけの問題ではなく、日本全体の事ととして考えて行ってほしい」という強い想いを話して下さいました。

 まちの復興に向けて前を向き一歩ずつ歩みを進めている町職員の方の姿には、尊敬の念に堪えません。

 

 1泊2日とタイトなスケジュールでしたが、一つ一つのお話が非常に重く、とても有意義な研修となりました。

 ご対応いただいた皆様にこの場をお借りしてお礼申し上げます。